親が施設に入所した実家はどうする?空き家にしないための考え方

アスリー君

親が施設に入って、実家が空っぽになっちゃったんだけど、どうしたらいいの?

相談者

うん、まだ売るとも決めてないし、親のものもそのままでさ。何から手をつければいいのか分からなくてさ。

親が介護施設や病院に入所して、住む人のいなくなった実家。「しばらくはこのままにしておこう」と考える方は多いのですが、実はこの段階でどう向き合うかが、将来の負担を大きく左右します。

結論からお伝えすると、親が施設に入所した実家は、「完全に空き家にしない工夫」をしながら、ゆっくりと方向を考えていくのが安心です。この記事では、入所後の実家についてやるべきことから、空き家にしないための考え方、そして将来の選択肢までを、初めての方にも分かりやすく整理していきます。

親の入所は、予想していなかったタイミングで訪れることも多いものです。心の準備ができないまま実家のことを考えなくてはならず、戸惑う方も少なくありません。でも、一つずつ整理していけば、難しいことではありません。まずは知ることから始めてみましょう。

親の入所は、本人にとっても家族にとっても大きな出来事です。その中で実家のことまで考える余裕がないのも自然なこと。ただ、少しだけでも早めに方向を考えておくと、あとが楽になります。

親が入所した実家でまず考えたいこと

木造平屋の古民家外観

親が施設に入所した場合、まず知っておきたいのは、売却や大きな手続きは「すぐにはしにくい」ということです。家の名義はまだ親本人のものですから、子どもの判断だけで勝手に売ったりできません。まずは「今はすぐに動かなくても良い」と知るだけでも、気持ちが楽になります。

親が入所したばかりのときは、やるべきことが多く感じられるかもしれません。でも、全部を一度にやる必要はありません。まずは「名義の確認」と「本人の意向の確認」、そして「建物を傷ませない管理」の三つを意識するだけでも、十分なスタートになります。

その上で大切なのが、親が元気なうちに、家をどうしたいかを本人と話しておくことです。「将来的には売っても良い」のか、「できれば残してほしい」のか。本人の意向を確認できていると、いざ判断するときに迷いが少なくなります。

また、入所が長期になるほど、実家は人の手が入らなくなります。建物は住む人がいなくなると傷みが進むため、早めに管理の仕方を考えておくと安心です。

名義は親本人のままなので慎重に

入所しただけでは、家の名義は親本人のもののままです。だから、子どもが良かれと思っても、勝手に売却したり大きな手続きを進めたりすることはできません。本人の意思を確認できるうちに、しっかり話しておくことが大切です。

実際、「良かれと思って先に家を片付けたら、親に寂しい思いをさせてしまった」という声もあります。親にとっては、入所中でも「帰る場所がある」という安心感が大切なこともあります。だからこそ、子どもだけで判断せず、本人の気持ちを大切にしながら進めたいところです。

名義や手続きに関することは、少し複雑に感じるかもしれません。でも、今すぐすべてを理解する必要はありません。「子どもだけでは動かせない場合がある」ということを知っておくだけでも、あとであわてずに済みます。

なお、入所後は郵便物の取り扱いも考えておきたいところです。実家に届く郵便物がそのままになると、大切なお知らせを見逃してしまうこともあります。転送の手続きをしたり、定期的にポストを確認したりするだけでも、安心です。

もし親の判断が難しい状態になっている場合は、手続きの進め方が変わることもあります。こうしたケースは専門家に確認しながら進めると安心です。いずれにしても、「まずは現状を把握する」ことから始めれば十分です。

介護費用と実家の維持費を整理する

親の入所後は、介護や施設の費用に加えて、実家の維持費もかかり続けます。電気や水道の基本料金、固定資産税など、住んでいなくてもかかるお金は意外とあります。まずは、どんな費用がかかっているのかを一度整理してみると、今後の判断の材料になります。

「使っていないのに毎月お金が出ていく」状態は、長く続くと負担になります。だからといって急いで決める必要はありませんが、現状を把握しておくことで、「このままにするのか、何かしらの手を打つのか」を落ち着いて考えられます。

親の意向を確認しておく

家には、親にとっての思い出や思い入れが詰まっています。子どもから見て「もう使わないから」と思っても、親にとっては大切な場所だったりします。売却や処分を急ぐ前に、本人の気持ちを聞いておくことで、あとで後悔しにくくなります。

人が住まなくなった家は傷みやすい

2階建て住宅の外観

人が住まなくなった家は、想像以上の早さで傷んでいきます。一番の原因は湿気です。人の出入りがあれば自然に換気されますが、空き家は閉め切ったままになり、室内に湿気がこもってカビが発生しやすくなります。特に台所や浴室などの水回りは、痛みが進みやすい場所です。

ガスや水道といった設備も、長く使わないと不具合が出ることがあります。実家をたまに使う予定がある場合は、こうした設備の状態も見ておくと安心です。定期的に水を流したり、換気したりするだけでも、状態は大きく変わります。

こうした傷みは、一度進むと元に戻すのに大きな費用がかかります。逆に、定期的に見回りをして換気しているだけでも、進行をかなり遅らせられます。親が入所した直後からこそ、少しずつ手をかけておくことが大切です。

湿気とカビは早めの対策が効果的

カビは、一度広がると除去に手間がかかります。壁紙や畔、押し入れの中など、目につきにくい場所から広がることもあります。対策はシンプルで、定期的に窓を開けて空気を入れ替えることです。押し入れや収納の扉も開けておくと、湿気がこもりにくくなります。

換気は、こまめにできるなら周に一度、難しければ月に一度でも効果があります。窓を二ヶ所以上開けて空気の通り道をつくると、短時間でも室内の空気が入れ替わります。こうした小さな習慣が、建物を守る上で大きな意味を持ちます。

また、電気や水道を完全に止めてしまうと、いざ使おうとしたときに不具合が見つかることもあります。すぐに使う予定があるなら、完全に止めない方が良い場合もあります。このあたりは、実家を今後どうしたいかによって判断すると良いでしょう。

雨の多い時期は特に注意が必要です。長く閉め切ったままにすると、一気にカビが広がることもあります。遠方で自分での換気が難しい場合は、見回りを代行してくれるサービスを利用するのも一つの方法です。

庭や外回りの手入れも忘れずに

建物の中だけでなく、庭や外回りの手入れも大切です。雑草や樹木は、手入れをしないとすぐに伸びて、隔壁や道路にはみ出してしまいます。見た目が荒れてくると、近所からも空き家だと分かってしまい、防犯面でも不安が残ります。

アスリー君

住む人がいないと、家ってすぐに傷んでいくんだよね。

相談者

そうなんだ!親が住んでたときは平気だったけど、誰もいないとこんなに変わるんだね。

放置による傷みは、空き家全体に共通するリスクです。もし「しばらく放置してしまいそう」という場合は、以下の記事も参考になります。

空き家にしないための管理の方法

剪定後の庭木

親が入所した実家を良い状態で保つには、定期的な管理が欠かせません。とはいえ、難しいことをする必要はありません。月に一度でも換気をし、郵便物を確認し、庭の様子を見ておくだけでも、傷みの進行を大きく遅らせられます。

管理の方法は一つに限らず、自分でできる部分と任せる部分を組み合わせても構いません。例えば、普段の見回りはサービスに任せ、帰省のタイミングで自分も様子を見る、といった形もできます。家族の状況に合わせて、無理なく続けられる形を見つけていくことが大切です。

問題は、誰がその管理をするかです。実家が近くにあれば自分で通えますが、遠方に住んでいたり、仕事や子育てで忙しかったりすると、続けるのはなかなか大変です。そんなときは、見回りを代行してくれるサービスを利用する方法もあります。

下の表に、主な管理の方法と、それぞれの特徴をまとめました。自分たちの状況に合う方法を選ぶ参考にしてみてください。

方法向いているケース注意点
自分で管理実家が近くでこまめに通える手間と時間がかかる
管理を任せる遠方・忙しく自分では難しい定期的な費用がかかる
売却を検討今後使う予定がない親本人の同意が必要

親が入所した実家は、「すぐに売る・処分する」必要はありません。大切なのは、方向を決めるまでの間に建物を傷ませないことと、親本人の意向を確認しておくことです。この二つを押さえておけば、あとの判断が楽になります。

自分で管理する場合のポイント

実家が近くにあり、自分で管理できる場合は、換気・郵便物の確認・庭の様子を見ることを中心に、無理のない範囲で続けましょう。「完璧に掎除しなくては」と構える必要はありません。少し人の気配があるだけでも、建物の状態は大きく変わります。

ただし、高所の作業や大きな樹木の刈り取りなどは、危険を伴うため無理をせず専門の人に任せる方が安心です。できることと任せることを分けると、長く続けられます。

見回りの際は、チェックしたいポイントをあらかじめ決めておくとスムーズです。雨漏りの跡がないか、水回りにカビが出ていないか、庭の雑草が伸びすぎていないかといった点を見ておくと、変化に早く気づけます。小さな異変のうちに対応すれば、大きな修繕を避けられます。

遠方で管理が難しいとき

遠方に住んでいる場合は、そもそも実家に行くこと自体が大きな負担です。交通費も時間もかかるので、毎月の見回りを自分で続けるのは現実的ではないこともあります。こうした場合は、一部をサービスに任せることで、無理なく実家を守れます。自分たちだけで背負い込まないことも大切です。

アスリートホームでは、遠方の方や忙しい方に代わって、実家の見回りや換気、庭の手入れを行う空き家管理のサービスをご用意しています。「すぐにはどうするか決められないけど、その間に実家を傷ませたくない」という方に向いています。

見回りの際には、建物の状態を写真で報告してもらえるサービスもあり、遠方にいても実家の様子を把握できます。自分で何度も通うことを考えれば、こうしたサービスは心理的にも安心につながります。

家の中の荷物や遗品の整理

物が置かれた和室

親が住んでいた家には、家具や日用品がそのまま残されています。入所したばかりのときは、まだ片付ける気になれないことも多いでしょう。無理に急ぐ必要はありませんが、少しずつでも手をつけておくと、いざ売却や活用を考えるときにスムーズです。

ポイントは、すべてを一度にやろうとしないことです。「今日はこの部屋だけ」と小さく区切って進めると、気持ちの面でも楽になります。重要な書類や思い出の品は、親本人に確認しながら進められると安心です。

親が元気なうちに、一緒に家の中を見ながら「これは残す」「これは手放す」を決めておくと、子どもだけで悩まずに済みます。思い出話をしながらの作業は、親子にとって大切な時間にもなります。

思い出の品との向き合い方

荷物の整理で難しいのは、単なる片付けではなく、思い出との向き合いです。親が大切にしていたものを手に取ると、どうしても手が止まってしまいます。それは自然なことです。一度に全部を決めようとせず、「迷ったものは一旦とっておく」という選択肢を持つと、気持ちが楽になります。

整理したものの中には、売却や手続きで必要になる書類が含まれていることもあります。権利関係の書類や契約書などは、あとから必要になることがあるので、捧てる前に一度目を通しておくと安心です。

親が元気なら、一緒に家の中を見ながら思い出を聞くのも良い時間です。「この写真はいつのもの」「これは誰にもらったの」といった会話は、そのときにしかできないものです。整理は手間ですが、親子の大切な時間になることもあります。

将来の選択肢を考えておく

親が施設に入所した実家は、いずれ「この先どうするか」を決めるときがきます。大きく分けて、今後も家族で使うために残す、賃貸などで活用する、売却して手放すという三つの道があります。どれが正解というわけではなく、家族の気持ちや家の状態によって合う道は変わります。

判断のヒントになるのは、「今後使う予定があるか」「管理を続けられるか」の二つです。使う予定がなく、管理も難しいのであれば、売却を前向きに考える価値があります。ただし売却には親本人の同意が必要なため、早めに話し合っておくことが大切です。

使う予定がないなら早めの検討を

子どもたちが既に別の場所に住まいを構えていて、実家を使う予定がない場合は、売却を前向きに考える価値があります。売却すれば管理の手間から解放されますし、維持費もかからなくなります。ただし、親本人の意向を確認しながら進めることが大切です。

売却には、名義の確認や内部の片付けなど、いくつかの準備が必要になることもあります。「すぐに売るわけではないけど、選択肢として知っておきたい」という段階でも、現状を見てもらいながら目安を知っておくと安心です。

売却を考えるときも、まずは現状を知ることがスタートになります。建物の状態や立地によって、進め方は大きく変わります。建物を残したまま売るのか、土地として売るのかでも選択肢は変わりますので、専門家に相談しながら自分たちに合う道を選ぶと安心です。

親が入所した実家の売却は、通常の売却とは違う注意点もあります。名義や本人の意向の確認など、事前に整理しておくべきことがいくつかあります。こうした点も含めて、早めに相談しておくと、いざ進めるときにスムーズです。

残して活用するという道も

一方で、「売るのは寂しい」「思い出を残したい」という場合は、残して活用する道もあります。賃貸に出したり、帰省時に使う場所として残したりと、使い方はさまざまです。建物の状態がよければ選べる選択肢ですので、管理を続けて状態を保っておくことが、ここでも活きてきます。

活用を考える場合は、その地域に需要があるかを見てみると良いでしょう。賃貸の需要がある場所なら、残して貸すという道も現実的です。ただし、活用にはリフォーム費や入居者への対応などの手間もかかるため、収支のバランスを考えて無理のない範囲で検討すると安心です。

いずれの道を選ぶにしても、共通して大切なのは、建物の状態を保っておくことです。状態が良ければ、売るにしても活かすにしても選択肢が広がります。

アスリートホームでは、地域に密着した不動産売却のサポートも行っており、実際にご家族の実家を売却された方の事例もご覧いただけます。

アスリー君

売るにしても残すにしても、まずは一度現状を見てもらって相談しちゃうのが一番早いよ。

相談者

たしかに。一人で抱え込むより、まずは相談してみようって思う!

家族で早めに話し合っておく

親が入所した実家の問題は、子どもが複数いる場合、一人では決められません。将来、実家を相続するときになって、兄弟姉妹で意見が分かれてもめてごとになるケースもあります。だからこそ、親が元気なうちに、家族で「この家をどうしたいか」を共有しておくことが大切です。

話し合いの場では、「誰が管理を担当するのか」も決めておくとスムーズです。遠方に住む人、近くに住む人でできることは違います。特定の人に負担が集中しないよう、役割を分けておくと、長く続けやすくなります。

また、話し合いの内容は、メモやメッセージで共有しておくと、あとから「言った・言わない」の食い違いを防げます。特に遠方に住む家族がいる場合は、電話やオンラインでも良いので、定期的に情報を共有する場を作っておくと安心です。

もし話し合いが難しい場合でも、中立的な立場の専門家に現状を見てもらい、選択肢を示してもらうことで、議論が前に進むこともあります。感情面が絡むテーマだからこそ、客観的な情報が役に立ちます。

費用や手間の見通しを共有する

話し合いを進めるときは、「売るならどのくらいになるのか」「残すなら年間どのくらいの維持費や管理の手間がかかるのか」といった具体的な見通しがあると、家族の話も進みやすくなります。漠然と「どうしよう」と考えるよりも、目安があると判断しやすくなるものです。

こうした目安を知るためにも、早めに専門家に相談しておくことが役に立ちます。「まだ何も決めていない」段階でも、情報を集めておくだけで、家族での話し合いがスムーズに進みます。

親が入所した実家についてよくある質問

親の入所中に実家を売っても良いのですか?

家の名義が親本人のままの場合、子どもの判断だけで売却することはできません。本人の意向を確認した上で進める必要があります。具体的な手続きは状況によって異なるため、事前に確認しておくと安心です。

しばらくはそのままにしておいても良いですか?

すぐに決めなくても問題ありません。ただし、人が住まない家は傷みやすいため、定期的な換気や見回りで状態を保っておくことをおすすめします。

遠方に住んでいて管理が難しい場合は?

見回りや庭の手入れを代行するサービスを利用する方法があります。遠方の方からのご相談も多いので、まずはお気軽にご相談ください。

荷物の整理はいつから始めれば良いですか?

無理に急ぐ必要はありませんが、親が元気なうちに一緒に進めておくと、思い出の品の確認もできて安心です。部屋ごとに少しずつ進めると負担が軽くなります。

売却と活用のどちらが良いですか?

今後使う予定や家の状態によって変わります。実際の判断は地域や物件によって異なるため、一度現状を見てもらいながら相談するのが確実です。

まとめ

親が施設に入所した実家は、すぐに売ったり処分したりする必要はありません。大切なのは、名義や本人の意向を確認しながら、「空き家にしない工夫」をして、ゆっくりと方向を考えていくことです。早めに手をかけておけば、将来の選択肢も広がります。

アスリートホームでは、遠方の方や忙しい方に代わって実家を見守る空き家管理サービスと、地域に密着した不動産売却のサポートを行っています。「どうしたらいいか分からない」段階でも、現状を一緒に確認しながら進めていけますので、まずはお気軽にご相談ください。

ここまで、親が入所した実家でまず考えたいことから、管理の方法、荷物の整理、将来の選択肢までを見てきました。共通して大切なのは、「急がず、でも放置せず」というバランスです。

親の入所をきっかけに実家のことを考えるのは、気が重いことかもしれません。でも、早めに少しずつ整理しておくことで、将来の選択肢を広く保ち、家族で落ち着いて向き合えるようになります。

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